5月1日(月)  パレルモ・チェファルー




    パレルモの街角。建物がNYのフラットビルっぽい?



          「死の凱旋」



    マルトナーラ教会。赤い屋根はサン・カタルド教会



     サンタ・カテリーナ教会内部

今日はお昼までパレルモ観光予定の為、2回目のホテルでの朝食。最初の日はコッペパン2個にジャム類とお茶、オレンジ2個だったけど、この日出されたのはパンではなくラスク2袋(!)。見るからに全然足りません…orz
安ホテルだし、予約サイトでも朝食がヒドイと沢山書き込みがあったので、覚悟はしてたけど、これはちょっと悲しいものが。しかも朝食ルームのお姉さんが忙しそうにしていて、オレンジを貰いそびれてトホホでした。

朝9時のオープンに合わせて、シチリア州立美術館へ。今日はイタリアの祭日なので、市バスは全て運休。昨日までガンガン道路を走ってた車も、あまり見かけません。
美術館は1495年に建てられたアバッテリス宮の中にあり、中世の趣が色濃く残っていて、いい感じです。
ここでのお目当ては有名なフレスコ画「死の凱旋」。展示室に行ったらTV局が「死の凱旋」を撮影中。ドイツ人の団体さんもいて、展示室は人でいっぱい。でも撮影のおかげで誰も絵には近づけないので、邪魔にならないように写真をさくっと撮影(当然ノーフラッシュ。他の人も撮っていたので問題なし・笑)。
更に、タイミング良くTV撮影が終わり、団体さんも立ち去って行ったので、絵をじっくり間近で見たり、写真撮ったり。
このフレスコ画の死神はペストを表しているそうですが、まんまタロットの死神のカードだよなぁと思いつつ、思い切り堪能しまくりました。

シチリア州立美術館の後は、マルトラーナ教会へ。ところが教会前は着飾った人達がびっしり鈴なり。何だ?結婚式でもあるのか?
団体さんが何組かやって来ては、鈴なりの人達を見て、みんなその場に足を止めている。けれど教会に果敢に突入して行く人も何人かいるしで、入って良いのか悪いのか判らず、様子見をしているうちに花嫁到着。アコーディオンの生演奏もあったりして、演出が素敵。が、なかなか花嫁さんが動かない。けっこうな時間が経ってようやく階段を登り始めたけれども、ロングドレスの為に1段登るのに、牛歩のように時間がかかる。結婚式が終わるのを待っていたら、他が見れないかも(祭日なので休館か、開いている所も午前中でお終い)な感じなので、マルトラーナ教会とサン・カタルド教会は泣く泣く後回しに。
マルトナーラ教会から、広場を隔てた向かいにあるサンタ・カテリーナ教会は、ガイドブックには載ってないけど、内装がすごく凝っていて素敵でした。




      シチリア州立考古学博物館・中庭



       セリヌンテ遺跡・E神殿メトープ



      セリヌンテ遺跡・E神殿メトープ続き



         青銅の羊



     アフロディーテとエロース

マクエダ通りを北上して、マッシモ劇場前を右に折れ(祭日なのでマッシモ劇場もお休みで、劇場前広場も人が少ない)、シチリア考古学博物館へ再訪。考古学博物館の中庭には噴水があって、静かで良い感じ。
セリヌンテ遺跡のメトープや、出土品が展示されている部屋では、古代ギリシャ萌えまくり。雄牛に乗るエウロペとか、ギリシャ神話を知っていれば思わずニヤリとするモチーフがいろいろ。ギガントマキアのアテナのメトープも、同じ構図の巨大彫刻がアテネのパルテノン博物館にあったなぁ。写真で紹介してるのは、もう1つの方のギガントマキアのメトープです。
セリヌンテにも実際に行ってみたかったけど、帰りの足に不安があったので(セリヌンテ→カステルヴェトラーノ、カステルヴェトラーノ→パレルモのバスの乗り継ぎが、ギリギリになるらしい)今回は見送り。次回こそは!

ゲーテの「イタリア紀行」にも出てきた、青銅の羊は博物館に2体ある筈だけど、1体はどこぞの美術館に貸し出し中で、台座だけがありました。写真はもう1体の方です。
ギリシャ彫刻も楽しみだったんですが、あまり数がなかったのが残念でした。

考古学博物館を出て、来た道を逆方向にマラトーナ教会まで、えんえんと歩く、歩く。 駅まで出るならば、マッシモ劇場前にタクシーが並んでいたので利用するんだけど、ちょっとタクシーでは短すぎる中途半端な距離だったので歩くしか。
クアットロ・カンティまで来た所で、流石に力尽き。教会まであと少しなんだけど、ずっと歩き回っていたのでしんどくて、教会はあきらめてお昼にする事に。
土曜日の夜に、ヴッチリア市場入口のIl Maestro del Brodoに行って、名物のボッリート(パレルモ版肉じゃが)を頼みたかったけどメニューになく。仕方なく違う物を頼んだら、後から来たお兄さん達が口頭でボッリートを注文していて、シマッターだったので(裏メニューか?)リベンジをしたかったのだけど、祭日なので店はお休み。代わりにすぐ側のTrattiria da Totoが開いていたので、そこへ入る事に。
ネットでの評判通り、海老のパスタがうまうまでしたvv
詳細は「シチリアごはん」にあるので割愛しますが、食後の紅茶を頼もうとして「テ・ペルファボーレ」と言ったけどなかなか通じず、苦労しました(笑)。
てゆーか「テ(紅茶)」がシチリアのどこへ言っても一発で通じた試しがなくって。「て」の発音に何かコツみたいなのがあったら、どなたか教えて下さい…。

お昼の後は、駅まで更に歩く歩く。
バレルモにいても見所は全て午前中でお終いなので、パレルモから列車で1時間のチェファルーへ。駅でチェファルーまで往復分の切符を購入。祭日なので、切符売り場も窓口は1つだけしか開いてませんが、市バスと違ってイタリア国鉄は普通に運行しています。(本数は少ないかも?)

列車の外にいた車掌さんに、一応チェファルー行きかを確認してから、列車に乗り込む。進行方向左の席に座ると、海がずっと車窓から見えます。まったり1時間過ごしてチェファルー到着。



           チェファルーの大聖堂



           大聖堂内部



     チェファルーの海岸。海に入る人は流石にいませんでした
大聖堂前の広場はすごい人出。パレルモ市内はお店も全て休みなので、みんなこういう郊外に遊びに出ちゃうんでしょうね。とりあえず大聖堂内へ。
この大聖堂はパレルモの王宮の礼拝堂と同じく、ルジェーロ2世が建立した物。後陣が黄金のモザイクで飾られています。
大聖堂を見た後は、広場で休憩。ジェラート屋が何件か並んでいるけど、どこも人でいっぱい。比較的空いているお店に入ってトイレを借りようとするも、トイレも長蛇の列。軽く十人以上並んでいただろうか、なんとかトイレを済ませてジェラートを買う。ずっと肌寒かったので、これが初ジェラートv シチリアならやっぱり最初はピスタッキオでしょ♪

大聖堂の背後に見える断崖の上に登ると、青い海とオレンジの屋根が並ぶ街並みの、絶景が見られるけれど、流石にそんな体力はありません。体力のある方は、駅〜大聖堂の道(ルジェーロ2世通り)にTempio Dianaの標識があるので、そこから登って行けばOKです。

大聖堂からずっと坂道を下って、海の方へ。道の両側はおみやげ屋さんが沢山並んでいて、ウィンドウショッピングだけでも楽しい。港で写真を撮った後は、海沿いの通りを海岸方面へ。狭い道は観光客がびっしりで、ここは日曜日の竹下通りか?と思うほど(笑)
海岸通りに出てみれば更に混雑はひどくなり、某イベント会場のよう。道ばたの露店を冷やかしつつ、チェファルーの街全体が見える辺りまで歩いてみる。
たまたまベンチが空いていたので、そこに陣取り、海と甲羅干しに来た人達をマンウォッチングしながら、1時間以上まったり、まったり。
仕事が超絶忙しかったし、旅行中もずっと観光しまくりだったので、心底のんびり出来て良かったです。

帰りはICでパレルモまで。駅の窓口は閉まっていて、自動券売機の前では学生が数人困り顔で立っていたので(トラブルか?)、先にチケット買っておいて正解でした。
パレルモ駅では、出入り口に検問が張られていて吃驚。改札を出る分には問題なかったけど、誰かエライ人が列車を利用するんでしょうね〜。
ついでに駅構内のマックの隣の店で、夕食に巨大アランチーニをお持ち帰り。
旧市街にホテルをとると、自分みたいに移動の多い場合は便利だけど、最大の困り事は食事が出来る所が少ない事。クアットロカンティ方面に出るか、駅の中で済ませるかぐらいしか選択肢がなく、駅前の大きなバールも夕方7時過ぎに行った時には、食べ物関係は何も残ってませんでした。加えて今日は祭日なので、開いてるお店も少ないし。
けれども、買ったアランチーニは全然美味しくなかったです。こんな事なら、昨日のAntica Focacceria SanFrancescoに行けば良かったかも〜と、後から後悔しまくりでした…orz

関係ないけど、パレルモ駅前のロータリーから道の向こう側(駅前のバールがある方)に渡るには、信号を2回渡らなければならないのですが、最初の信号を渡った後、次の信号待ちをする場所が、車がびゅんびゅん走る道路のど真ん中!
日本の大きな交差点で右折車が一旦停止するような位置で、人間が待つんです。すぐ脇を車が思い切り走り抜けて行きます。しかも目印も待避場所も、何もないのが笑っちゃうというか、イタリア的というか。
最初は地元民の後について、ひぇ〜と思いつつ渡っていたのに、4日もパレルモにいると、他の観光客の先頭切って渡れるように。慣れってすごいな〜と我ながら感心したり。
パレルモでの滞在は今日でお終い。明日は早朝にモディカに移動です。