4月30日(日)  アグリジェント




      神殿の谷・エルコレ(ヘラクレス)神殿


         コンコルディア神殿



         コンコルディア神殿2



     かつてはこんな鮮やかな色だったんですね〜



      神殿の谷周辺はアーモンドがいっぱい



       ジュノーネ・ラチニア(ヘラ)神殿

朝08:00発のアグリジェント行きのバスに乗る為に、本日もホテルの朝食(08時から)は抜き。代わりにパレルモ駅のバールで、巨大コルネットを購入。
ついでにトイレも行っておこうと思ったら、駅のトイレは有料(1ユーロ)で、しかも自動改札みたいな入口にコインを投入して入るタイプ。この時、お財布の中にあったのは、2ユーロコインと、後は1ユーロに満たない小銭。困ったな〜と近くにいたお掃除おじさんに2ユーロコインを細かくして貰えないかとお願いすると、おじさん「両替は出来ないがちょっと待ってろ」と言って、鍵を開けてくれました。ありがたく使わせて貰って、すぐ側の長距離バスターミナルへ。
ちなみにトイレの中はちょっと薄暗くて、誰もいない上に、壊れたトイレがずっとザーザー流れている音がして、(気分的に)何となく怖いので速攻で用を足しました(笑)。

アグリジェント行きのバスはCuffaro社が運行。今日は日曜日なのでバスの本数は1日3本しかありません。(ちなみに翌日の5月1日は祭日で、アグリジェント行きのバスを含めてCuffaro社のバスは全て運休です。イタリア国鉄は走ってるけど、早朝の列車がなく、アグリジェント着が早くてお昼過ぎ)
バスのドライバーから切符を買うときに「Anderta?」と聞かれたので、ほえ?(聞き覚えのある単語なんだが出てこない)と思っていると、更に「Solo anderta? Anderta e rtoluno?(片道か往復か)」と聞かれ、ああ!と思い出し、無事片道切符を購入(付け焼き刃で覚えた伊語なのでこんなレベルです…)。往復の方が全然安いんだけど、何しろパスの本数が少ないので、帰りの時間が読めないので一応片道だけ。
バスは1時間ほど走った所で休憩。ドライブインにあったトイレはトルコ式。イタリアで見たのは初めてでした。
春なので、車窓からは緑の牧草地帯が見え、ところどころ紫の花の絨毯が広がっていたりして、気持ちの良いドライブでした。

2時間程でアグリジェント到着。アグリジェント駅に移動し、神殿行きのバスを待っていると、後からバス停にやって来たイタリア人が話しかけて来る。
彼はパレルモでサッカーをしてるとかで、ナカータとプレイしたとか言ってる(ってパレルモの選手ですか? 日本にはパレルモの情報なんて全然入って来ないからわかんないや)
更にサッカー青年は「神殿へ行くのか? この町の大聖堂はすごく綺麗なんだけど、一緒に行ってみないか?」とお誘いw
ナンパというよりも、本当にお気に入りの場所だから見せてあげたいという感じだったけれど、結構な距離があるとガイドブックにも書かれていたし、その間ずっと英語で会話し続ける自身もないし(苦笑)、何より神殿イケイケモードだったので、ごめんねとお断り。
ようやくバスがやって来たので、念の為に神殿行きかドライバーに確認して乗り込む。ちなみにチケットは駅のバールで往復分購入済。
日曜日は考古学博物館が午前中しか開いていないので、神殿の谷の手前で途中下車するつもりだったけど、バスに乗る時に「神殿行き?」と尋ねたおかげで、気が付いたらそれらしい建物の前をバスは素通り。神殿の谷と考古学博物館は結構な距離があり、徒歩で往復する気力も時間もないので仕方なく諦め。

神殿の谷に到着しチケット購入。チケット6ユーロ+地図1ユーロでした。エルコレ神殿がバス停からすぐの所に見えていたので、早速そちらの方へ。
エルコレ神殿は、神殿内に入って瓦礫に登ったり出来るのが嬉しい(←いいのか?)
写真を撮りまくって、次はコンコルディア神殿へ。昨日のセジェスタに続き、アグリジェントも修学旅行のお子様軍団や観光客でいっぱい。でもって、みんな手にしているのはデジカメ。日本製のもけっこう見かけるし、写メール撮ってる人も日本ほどでは全然ないけど、たま〜に見かけました。

コンコルディア神殿は、多分小さいだろうな〜とは思ってたけれど、想像以上に小さくてちょっとがっかり。恐らくギリシャのパルテノン神殿の半分もないかと思われます。(あちらは身長12mのアテナ像の入れ物なので、比べちゃいかんのは判っているんですけど・苦笑)
けれども神殿の柱や壁が綺麗に残っていて、キリスト教の教会として使われていた時の名残?なのか、壁がアーチ型に切り抜かれてたり、神殿がギリシャのように大理石ではなく、シチリアの黄色い石が使われていたりと、いろいろ興味深かったです。神殿の背面が修復中で、だまし絵になっていたりとかw

お昼近い時間になっていたので、ちょっと早めにコンコルディア神殿近くのカフェで、アランチーニとパニーニでお昼ごはん。観光地なので全然期待してなかったのに、アランチーニがうまうまでした。

更にてくてく歩いてジュノーネ・ラチニア(ヘラ)神殿へ。
この神殿は神殿の谷の一番奥に位置し、他の神殿群からはかなり離れた丘の上にあるので、下の参道から見上げる神殿は当時は美しい眺めだったんだろうなと思います。
神殿の裏手で小学生の修学旅行集団が先生の話に聞き入っているので、自分も他の観光客に混じって遺跡の石段の上でしばし休憩しつつ、ぼ〜っと神殿を眺める。神殿が火災に遭った時の物だという、石の赤い部分もあちこちに見られました。
写真を撮りまくった後、来た道を引き返して入口方面へ。

旅行前に、神殿の谷からアグリジェントの街の近代的なビル群を振り返ると、古代のロマンも台無し、とあちらこちらで目にしたので、どんなんだろう(←笑)とやってみました。一瞬「ああ、なるほど」とは思いましたが、緑のアーモンド畑の向こうに、突然ニョキニョキ生えてるビル群が妙にシュールで、かえって超近代と古代の対比が面白かったです、自分は。
(日本なら、田んぼが広がる田園風景の向こうに、いきなりビルがびっしり建っている、という感じでしょうか。シチリアでもこんな異様な街は、他に見かけませんでした)
ギリシャのパルテノン神殿なんて、周囲はプラカ地区以外全部ビルばっかりなのに、景色を見て、わ〜良い眺め〜とは思っても、興ざめと言う人は恐らくいないのではないかと思うのですが。この辺、パルテノン神殿は高い所から街を“見下ろす”のに対し、アグリジェントは谷から街を“見上げる”違いなんでしょうか? 面白いなぁ。




      ジュノーネ・ラチニア神殿・修復中



         遺跡とアグリジェントの街



      ジョーヴェ・オリンピコ(ジュピター)神殿



          ディオスクロイ神殿



        ディオスクロイ神殿の周辺



          パレルモ中央駅
別のゲートをくぐって、ジョーヴェ・オリンピコ神殿方面へ。
ここは巨大神殿の瓦礫しか残ってませんでした。(アテネのゼウス神殿より更に大きかったらしいです。大神の神殿はどこの国もバカでかく作るのかしら…)

更に瓦礫を超えて、ディオスクロイ(カストール・ポルックス)神殿へ。
たった4本の柱しか残ってないのに、どうしてこんなに絵になるのか、と思うくらい美しい神殿。
思わず神殿の周りをぐるぐるぐると回って、いろんな角度から写真を撮りまくって来ました。
ディオスクロイ神殿の側には、珍しい円形の祭壇跡など幾つもの遺構が残っています。多分ディオスクロイ神殿の一部と思われる柱もごろごろしてました(苦笑)

神殿前の土産屋でガイドブックを購入して、バスに乗って駅前へ。神殿前のバールの横にあるトイレには、トイレおじさんがいてチップを取られました(^^;
一緒にパス待ちをしていた女性と駅に着いてから少し話をしたのですが、彼女はハワイから来たとの事で、日本の長野へも行った事があるそうで(オリンピックか)、善光寺がお気に入りとか。タオルミーナからアグリジェント見物に来たそうで、タオルミーナはとても良い所だと聞かされたので、行くのが更に楽しみに。
ところで彼女曰く「日本人ツアー客は嫌い。でも1人旅の女の子は好きよ」。自分も実家が観光地なので、その気持ちはと〜〜っても良く判りますとも。旅の恥は決してかき捨てではないのに、どうして集団になるとみんな傍若無人になるんでしょうねぇ…(-_-#

パレルモ行きのちょうど良いバスの時間がないので、電車の切符を購入。出発まで時間があったので、駅の左手にある急勾配の坂(というか崖)を登って行くと、上が見晴台になっていて、そこから神殿の谷が遠くに綺麗に見えました。写真を撮っていると、見晴台にいた男の人が声を掛けて来る。彼がサングラスを取ると、なんと朝のサッカー青年。
それでもって再び大聖堂に行こうとお誘いを受けるが、流石に歩き回って疲れていたので、今度もごめんなさいなのでした(苦笑)

アグリジェントの駅のホームは切符売り場から、5階ほど下った所にありました。
走る列車の中で景色を眺めながら半分うとうとしていると、通路向かいのボックス席に陣取った高校生ぐらいの男の子3人組が、切符の改札代わりの刻印を押してなかったらしく、車掌さんとすったもんだの模様。彼らは日時の刻印するなんて知らなかった、とでもしらを切ったのか。車掌さんは隣の私の切符をチェックに入る(実はこの時点で起こされた)。もちろん私は刻印済。
で車掌さん「ほらジャポネーゼだって、ちゃんと切符の刻印しているぞ」と。男の子達は切符の裏を読み上げさせられたり(日付を刻印する旨が書いてある)、散々怒られてました。
駅の改札がない代わりに、車内の検札はかなりチェック厳しいです。欧州はどの国もそうですが。

パレルモに着いたのは夕方6時前。日曜なのでレストランは大抵お休み。なので旧市街にある有名なモツバーガー屋Antica Focacceria SanFrancescoへ、駅から直行。
ガイドブックには終日通しで営業みたいに書かれていたけど、お店は準備中。でも店の前に結構な人がいるので、多分6時になれば開店するだろうとふんで、その場で待つ事に。10分程で思った通りお店は営業開始。一気に人が店内になだれ込んで行く。
初めてのお店で勝手が判らないので、他の人を観察しつつ、メニューとディスプレイの料理をにらめっこ。みんなモツバーガーを注文してたけど、サイズがビッグマックの比ではなく大きい。流石にあの大きさは無理かも、とカウンターでサラダを注文し、更にレジでピッコロ(小)サイズのバーガーを頼む。そのレシートを持って、モツバーガーを作る係の人の所へ。
けれどもピッコロサイズのモツバーガーは、親指と人差し指で輪を作った程度の大きさの、本当に一口サイズでした。(←極端過ぎ…)
物足りないので、普通サイズのモツバーガーを改めて注文し、お持ち帰り仕様にとお願いするが、バーガー係の人は英語が通じない。それでも何とか意思疎通。係の人は「そういう時はウシッターヴォ(ウシッターゥオ? 何度か真似て繰り返したけど正確な発音ができない)と言うんだよ」と教えてくれました。
けれどタオルミーナではお持ち帰りは「ポルターレ・ヴィア」だったし、伊語会話集もそうだったので、これはパレルモ弁?(ウシータが出口の意味なのはわかるんですが)
ホテルでお持ち帰り分を食べましたが、おいしかったです。
ちなみにモツバーガー(パレルモ弁でパーネ・コン・ミルツァですが、この店では皆フォカッチャと呼んでました)2ユーロ、ピッコロサイズ1ユーロでした。

早めに帰ったので、お洗濯しまくり。
シチリアはまだ春先は少し寒いのか、シャワールームに干した洗濯物が1日で乾かないのが困りもの。モディカ、タオルミーナも同様でした。
パレルモのホテルには窓の外に洗濯ロープがあり、前日洗濯した時はひどい雨に降られた直後だったので躊躇してたのですが、今夜は大丈夫だろうと外に干すことに。早く乾け〜。





・アグリジェント行きのバスを運行するCuffaro社のサイト。料金は片道7.2ユーロ。チケットはターミナルのオフィスではなく、ドライバーから直接購入。
・列車は6.7ユーロ、多分。(全然覚えてません)。パレルモ〜アグリジェント間はバスも列車も2時間程。