9月23日(木)  ミコノス、デロス島


朝3時少し前に無事起床。思わず自分で自分を誉めてあげたいような眠さ。朝一番の便を取った自分を、ちょっと恨めしく思う(笑)
速攻で身支度をして3時半頃にチェックアウト。フロントのお兄さんに「グッドモーニング」と挨拶をしながらも、今は朝か?朝なのか?!と、心の中で自分にツッコミを入れる。
チェックアウトはあっさり終了、重いカートを引きずりながら、スタディウ通りをシンタグマ広場方面に向かって歩いて行く。早朝というか夜中のスタディウ通りは、時々車が通り過ぎて行くぐらいで、人通りは全くない。人っ子1人いないので、危ない事はないだろうが、もし万一何かあったとしても誰も助けには来てくれないだろうな…(^^;
10分程歩いてシンタグマ広場に到着。こんな時間にもかかわらず広場にあるキオスクは営業中。ミネラルウォーターを切らしてしまっていたので、助かった。(空気が超乾燥しているギリシャでは常時必需品)。シンタグマ広場には結構な人が歩いているが、この人達こんな時間に何やってるんだろう…。
バスに乗り込んで、地下鉄の窓口で事前に購入していたチケットを刻印。荷物置き場のすぐ側の席が空いていなかったので、その後ろの席に座る。眠いけど、一応荷物見てなきゃならないんで眠れないや。

時間が時間なので、道も空いていて4時半過ぎには空港に到着。ミコノス行きの飛行機は6時なので、あと1本遅いバスでも良かったかも。掲示板を見ると、もうチェックインが始まっているみたいなので、カウンターに行かねば。エジアン航空(日本で例えるならANAか?)のチケット売り場正面に、エジアンのチェックインカウンターがあるので、オリンピック航空のカウンターも同じようにチケット売り場の前にあるだろうと歩き出すが、全然見つからずにルフトハンザとかのカウンター方面まで来てしまった。こんな端の方にオリンピックのカウンターがある訳ないじゃん、と引き返し、インフォメーションで訊ねると、思い切り逆方向を示される。紛らわしい造りしないで欲しいなぁ。
ちなみにオリンピック航空のカウンターは、空港施設のど真ん中。バスが端寄りに到着するので、遠くて見えなかった…(-_-;
搭乗手続きを済せた後、眠い目をこすりながら、適当に見つけた軽食スタンドで黒パンのサンドイッチを購入。湿度が低いせいかパンが超パッサパサの上に、中の具と黒パン独特の酸味が合わなくて、思わず「白いパンが食べたいのう…」とペーターのおばあさんのような台詞を心の中でつぶやく。

ゲート方面に移動すると、セキュリティチェックで手荷物のノートパソコンが思い切りひっかかる。ノートパソコンをバッグから出すように言われるが、生憎パソは荷物の一番下。泣く泣く綺麗に詰めた荷物をかき分け、パソを引っ張り出す。パソ単体で再びチェックを通して、あっさりOK。成田やバンコクのゲートでは無問題だったのに、流石にテロ対策の為か、チェックも厳しい。
ゲート前では、結構な数の人がソファに寝そべって睡眠中。自分も真似て横になるが、5分もすると搭乗開始のアナウンスが入ってしまった。のそのそと起きて、列の最後尾に並ぶが、ほとんどの人は横になったままなので、恐らく深夜か早朝にアテネに着いてそのまま島行きの飛行機を待っている人達なんだろう。
ゲートの外で待っていたバスに乗ったのは、自分も入れて11人。バスはすぐに動き出して、ミコノス行きの小型機に乗り込む。出迎えてくれたCAのお姉さんに、どこの国から来たのか?と聞かれて日本からと答えると、「おはようございます、ようこそオリンピック航空へ」みたいな事を、笑顔と共に日本語で言われるが、全然予想してなかったCAさんの日本語に一瞬どう対応していいか判らず(脳が眠気で完全にフリーズ中)、「お、おはようございます」としどろもどろの挨拶を返す(苦笑)

飛行機は予定より5分早く離陸。まだ夜明け前なので、エーゲ海の上を飛んでいても、外の景色が全然見えないのが残念。ミコノス空港に到着する頃、ようやく山の稜線が判る程度に明るくなって来た。
荷物を受け取り、空港の外に出る頃には完全に明るくなっていた。ホテルに空港までの送迎をお願いしていたので、迎えの車が来ている筈…と思いきや、それらしき人も車も見当たらない。他のホテルの送迎車はいるんだけど。
送迎がギリシャ時間なのか(到着が予定より早かったし)、それとも予約が6月ぐらいだったから、まさかとは思うが忘れられているんじゃないだろーな。多分前者だろうと、じっと空港前で待っていると、ようやくホテルの送迎車が現れた。

車で10分程走ってホテルに到着。チェックイン時にお兄さんが、ホテルの施設について(朝食が何時からとか)いろいろ説明してくれたが、毎日何度も繰り返す長い決まり文句の為か、お兄さんの説明は超!早口英語。ほとんど内容わかりません…(滝汗)
ここのホテルは全室オーシャンビューとの事で決めたのだけど、通されたのはエーゲ海を眺めるオーシャンビューというよりは、遠くにミコノスタウンと港が見渡せる部屋。夜になれば海は真っ暗なだけなので、この辺は好みの別れる所かと思う。一番奥まった部屋なので、タウンの眺めも凄く良いという訳じゃないけど、朝早い時間なので、いい部屋はまだ空いてなかったんだろうな、残念。ともかく早朝にもかかわらず、部屋に入れたのは何よりありがたい。
荷物を放り出したまま仮眠を取って、9時過ぎにホテルを出る。室内にセーフティボックスがあったけど(冷蔵庫の中にあった・笑)、カギが見当たらなかったので、フロントに行って貴重品を預ける。フロントのお姉さんに、部屋にセーフティボックスあるわよ?と言われるが、カギが見つからなくて…と「Yes. But,I can't…」と言いかけた所で、セーフティボックスが開けられなかったのね?と察してくれて、笑顔で預かってくれた。
(後で何かの折りにフロントで他の客が持っていた部屋のカギを見たら、カギが2つついていた。自分のは1個しかないので、多分あれがセーフティボックスのカギだったのかも。そりゃー開く筈ないって(苦笑)。フロントのお姉さんが、いつ行ってもとても愛想良く対応してくれたので、別にいいんだけど)



左がヘラ
デロス島行きチケット売り場(クリックで拡大)


ホテルはミコノスタウンから徒歩10分ぐらいの所にあるが、途中景色の良い所が幾つもあって、ついつい立ち止まって写真を撮ってしまうので、15分ぐらいかかってしまった。港をぐるっと回って、港の1番端にあるデロス島行きのチケット売り場へ。デロス島行きの船は3つあって、確かガイドブックにオルカが最速と書いてあったので、そのチケット7ユーロを購入。他の2つより0.5ユーロ高いけど、早い方がいいし。
しかし実はオルカではなく、ヘラが最速。(←時刻表見て考えれば、片道30分かからないって判るだろう、自分)。帰りの本数も多いので、そっちの方が良かったかも。

しばらく港で待たされ、やって来た船の左側のデッキ席(デロス島が見える方で、おまけに日陰になる)に、席を確保。船が動き出してみると、日よけはあるけど太陽の高さの関係で、1番端の自分の席は日陰にならず、暑くてちょっと辛い。デッキは満席状態なので、移動する事も出来ず、到着まで我慢。手の甲が焦げそうな暑さだけど、潮風はとても気持ちいい。凄く綺麗な金髪美人の若いママと、ママ似の可愛いちっちゃい女の子の母子連れがいて、デロス島に着くまでの目の保養をさせてもらう。


アルテミス神殿
アルテミスの神殿(多分)
 
湖の家
湖の家


世界遺産にも指定されているデロス島は、島全体が遺跡になっていて、港に入るとすぐ目の前に遺跡が広がっている。チケット5ユーロを購入して、早速遺跡の中へ。
アテネのアクロポリスや古代アゴラの軽く10倍はありそうなただっ広い遺跡には、日陰がほとんとないと聞いていたので、この為に持参した日傘と7分袖のコットンのカーディガンで武装。直射日光を避けてるのに、それでもかなりの暑さ。真夏に来たら絶対ぶっ倒れる。(日本の夏は“溶けそう”な暑さだが、ギリシャのは直射日光に当たると“倒れそう”になる。←昔サントリーニに行った時は、4月なのにお昼過ぎの時間帯は、家の陰を選びつつ忍者のように歩いてた。しかし、この島で日影があるのは博物館と隣のレストランのみ…)

てくてく歩いて、アポロン神殿やポセイドン神殿、レトがアポロンとアルテミスを産んだとされる聖なる泉(現在は埋め立てられて草だらけの空き地になっている)などを見て歩く。住居跡もいっぱいあったけど、どの部屋もとても小さい。多分3畳とか4畳とかそんな感じの広さ。古代ギリシャ人は身体小さかったんだろうか。当時のデロス島には3万人が住んでいたとかで、巨大な都市跡からその繁栄ぶりが伺える。
博物館を見学して、その後はキントス山方面へ。標高わずか112メートルだが、海抜0メートルから登るので、道はかなりの急勾配。何だか山登りというか、崖登りというか…。
山頂まで登るつもりもなかったので、適当な所で引き返し、山の麓にあるモザイクの床が残る家とかを見て回る。


聖なる湖
レトがアポロンとアルテミスを産んだとされる聖なる湖
 
ヘルメスの家
ヘルメスの家


ヘルメスの家付近
この辺になると何がなんだか…
 
クレオパトラの家の近く


住居跡
住居跡
 
エーゲ海の青
エーゲ海の青をお楽しみ下さいv


帰りの船では、日陰のテラス席をキープ。波一つ無いベタ凪ぎで、潮風も気持ち良く、絶好のクルーズ日より。紺碧の海をぼーっと眺めながら、エーゲ海クルーズを堪能する。
港につく頃には午後も大分回った時間だったので、ネットで美味しいと書かれていたタベルナを目指して歩き出す。迷路のような細い路地を曲がりまくって(ガイドブックにも観光局の資料にも地図は載ってるけど、目印になるような物が何も書かれてないのであっても役に立たない)、かなり適当に歩いていたら、風車の並ぶ丘に出てしまった。
何か全然違う方向に来ちゃったけど、ここも有名な観光スポットなので、ついでに写真を撮りまくる(笑)。この界隈はリトルヴェニスと呼ばれているそうだが、波打ち際の白い壁に原色の家並は、ヴェネツィアの煉瓦造りの古くて重厚な感じとは、似ても似つかない気がするのは自分だけだろうか。

とりあえず自分の現在位置が判明したので、軌道修正。しかしまたもや行き過ぎて、今度はパラポルティアニ教会に出た。ついでに観光以下同文。
そしてようやくお目当てのタベルナを発見(ペリカンで有名なタベルナの向かいの店)。しかしそこには日本人の団体観光客が、長テーブルで、会話の1つなく黙々とお通夜のように食事をしている。広い店内には、他に1組の欧米人のグループがいるだけで、それ以外の客はない。あまりの辛気くささに、うえ〜と思わず逃げ出して(わいわい盛り上がっている団体ならともかく、ここに1人でのこのこ入っていったら、見て見ぬフリの反対で居心地悪い思いをしそうな予感)、棚に這わせたツタの日よけの緑が綺麗で目に付いた、すぐ隣のパラポルティアニというタベルナへ。お目当ての店と建物続きなので最初は同じ店かと思ったけど、こちらはそこそこ客が入っていて、気兼ねなく食事が楽しめそう。
ムサカとグリークサラダを注文。ここのムサカはマッシュポテトがふわっふわで、高さも大きさもあるので、(味を気にしなければ)うっかりするとケーキを食べているような感覚に陥る。
ミコノスは何でも物価が高いと噂に聞いていた通り、お会計はアテネに比べてちょっと高め。でも美味しかったので満足v



リトルヴェニス
リトル・ヴェニス


食事の後は、一旦ホテルへ戻ってお洗濯。クローゼット備え付けのハンガーが、洋服を掛ける部分だけがフックと分離して外れる特殊なやつで、洗濯物を干すのに使えない。仕方なくTシャツやズボン等は、テラスのテーブルと椅子に掛けて干す。ここのホテルは断崖の地形に合わせたイレギュラーな造りになっていて、自分の部屋は隣の部屋からかなり引っ込んだ位置にあり、また1番奥の部屋でもあるので、眺めはいまひとつ?の代わりに、周囲に気兼ねする事なく外に洗濯物を干せる点ではいいかも(笑)
洗濯を終えた後は、水着に着替えてホテルのプールへ。折角エーゲ海のリゾートホテルに来たんだから、泳がなくっちゃ♪

流石にパラソルの下の椅子は人でいっぱいで、思い切り日向にある所しか空いてないけど、時間が時間だけに仕方ないか。プールは海水を使っているとかで、結構水が冷たい。でもって本当にしょっぱい。泳いでみると身体が楽に浮くので、プールの端から端まで2〜3往復もすると、思いがけず腰痛の腰が楽になったのは嬉しい。
その後は椅子で軽くうとうと。日焼けするとすぐ赤くなる体質なので、首から下にパレオを掛けて直射日光を少しでも防ぐ。端から見たらきっと変な恰好だろーけど(汗)、後で泣くのは自分だし。プールサイドでごろごろしている欧米人達は、ここぞとばかりに身体を焼きまくっている。…そんなに景気よく焼きまくっていると、皮膚ガンになるぞ(-_-;
プールで泳いではうたた寝を繰り返して、まったりまったり。日差しも昼より柔らかくなっていい感じだったので、結局夕方までプールサイドでのんびり過ごす。

部屋へ戻ってシャワーを浴びたりしているうちに、空が薄く茜色に染まり始めていた。このままホテルで夕日を眺めていようか、それともミコノスタウンまで出掛けようか、ちょっと迷っう。どちらも捨てがたいけど、折角なので港の方まで足を伸ばしてみようと、ホテルを後にする。
写真や絵画で良くある、高台からのミコノス港の眺めが見れたらいいな〜と、適当に道を登るが、道を間違えたらしく、頂上まで登れそうな道が見つからない。歩き回った末に、結局あきらめて港まで降りて行く。デロス島行きの船が出る桟橋まで行くと、夕日を見に結構な人が集まっていた。しばし夕日を堪能した後、すぐ側のパラポルティアニ教会に行って見る。真っ白な教会が夕日に染まる様子を、観光客が入れ替わり立ち替わり写真に収めている。


望遠モードなので実際は豆粒(^^;
部屋から見たミコノスタウン(望遠撮影)
 
ミコノスの夕日
ミコノス港の夕日


最後の残照が海に消えた後、空は少しづつ暗くなって行く。教会のすぐ側の、みやげ物屋の並ぶ通りが人でにぎわっているので、自分もついそちらへ。そこでサンダル屋を発見。只今バーゲン中とかで(そろそろシーズン終わりだからか?)どれも1足20ユーロしない。アテネの半額、これは買うしか!(笑)。最初に気に入ったのがサイズがなくて、あれこれお姉さんに見せてもらって、お買いあげ。ついでに家族のおみやげ用も。
細い迷路の両側に、かわいい造りのみやげ屋がいっぱい並んでいるので、ついついお店をはしごしまくる。
ホテルに戻ったのは8時半過ぎぐらい。ホテルまでの道は灯りが少ない上に、大型バスも何台も通るので、ちょっと夜は危ないかもという感じ。
余計な街の灯りがないので、ミコノスではさぞ星空が綺麗…と思っていたら、ほぼ満月に近い月が夜空を煌々と照らしていて、星がほとんど見えない。むう、今日も絶好調だったアポロン様に続いて、アルテミス姉様(某映画のせいです、はい)も気合いが入っていらっしゃる事…。

一旦部屋に戻って荷物を置いて、ホテルのプールサイドにあるレストランへ。隣のバーカウンターには沢山の宿泊客が集まって、何やら盛り上がっているが、レストランには誰もいない。
ここのホテルとレストランは様々な賞を取ったという事なので、だったら行ってみないと!というミーハーな自分(笑)。他の客もいないので、プールサイドの眺めの1番良い席へ。ライトアップされたプールが、幻想的で綺麗。遠くにはミコノス港の灯りも見える。
エビのパスタ、トマトソースウゾ風味(正確じゃないけど、こんな感じ)と、トマトジュースを注文する。お兄さんに「水は?」と聞かれたので、「じゃ、お願いします」と言うと、巨大ペットボトルの水しかないと言われる。1人なのに1リットル以上ありそうな水があってもな〜と困っていると、お兄さんが「グラスオブウォーター?」と、笑顔でグラスで水を持って来てくれた。
注文したトマトジュースが、香辛料入れすぎで辛くて辟易したので、この水は後で凄くありがたかった。パスタはウゾの独特の風味が効いてます、という感じ。大きな海老がごろごろ入っているのが嬉しい。
食事をしていると、若い兄さん数人がダーっとやって来て、プールに次々に飛び込んで、またすぐに引き上げていった。何かの罰ゲームか?
食事を終え、部屋に代金をつけてもらい、部屋に戻る。(ちなみにパスタが22ユーロぐらい。タウンのタベルナの2倍ぐらい?のお値段でした。ルームサービスのメニューと同じなので、実際に行かれる方はメニューを見て驚愕して下さい・笑)。
夜景を楽しみたいところだけど、テラスの椅子とテーブルが洗濯物に占拠されているので、窓越しに景色を眺めつつ、旅行記用のメモ書きとか何だかんだと忙しく過ごす。