昨夜は疲れ切っていたにも関わらず、時差ボケのせいかあまり眠れなかった。こんな時まで、律儀に体内時計働かなくてもいいのに(T_T) |
エレウシス遺跡の入場料3ユーロを支払って、早速中へ。観光客も決して多くはないけど、結構人がいる。マイナーな遺跡だけど(ミシュランのグリーンガイドでは星なし)、ギリシャ神話好きならば、やっぱり1度は訪れてみなくては。 まずはアルテミスの神殿跡と、大前門及び小前門を経て、ハーデスの聖域プルートニオンへ。 聖域のまん前では、でかい犬が○尾の真っ最中。さ、流石は豊穣神デメテルの聖地だ…(滝汗) ここハーデスの聖域には、地上と冥界を繋ぐ唯一の出入口と言われる洞窟がある。ペルセポネーも毎年ここを通って、地上と冥界を行き来していたという。実際の洞窟は奥があるようには見えないが、もしかしてセブンセンシズやエイトセンシズに目覚めれば、冥界への扉が見えるのかも?(笑) 冗談はさておいて、洞窟のすぐ近くまで行って洞窟の奥をしげしげと見ている観光客のおばさんがいる。あんな所まで、入ってもOKなのか?! 早速自分も間近で洞窟を見ようとすると、さっきの犬達と更にもう1匹が、一体何が気に入ったのか自分の後を、どこまでも付いて来る、付いて来る。追い払っても全然効果なし、異様に人なつこい。犬は嫌いではないのだが、でかい口から大きな牙が覗いている。あまりにも人なつこいので逆に、万一じゃれつくつもりでうっかり噛まれたら嫌かも、と不安がよぎる。しかも犬達は1匹以外は首輪付けてないので、噛まれたらマジで洒落にならない。 仕方なく洞窟は後回しにして、先の方にいた観光客とガイドさんの所まで歩いて行って、何げに彼らを追い越して犬の相手をバトンタッチ(^^; 結局犬のおかげで、ハーデスの聖域の洞窟を間近で見る事が出来なかった。まさかあのわんこ達、実は地獄の番犬ケルベロスの世を忍ぶ仮の姿だった、なんて事は決してないのだろうけども(笑) |
![]() テレステリオン |
![]() プロピレイア(前門)の装飾の一部 穀物の女神デメテルと花の女神ペルセポネの意匠 花と実(種)も永遠の生命の象徴 |
ハーデスの聖域を過ぎると、テレステリオンと呼ばれるホールの跡が広がっている。 かつて3000人収容出来たという、このテレステリオンで、永遠の生命を授かるエレウシスの秘儀が行われていた。広大な大ホールは屋根で厳重に覆われ、外から秘儀の様子を伺い知る事は出来なかったとか。秘儀の内容は極秘とされ(他人に漏らした者は死罪)、後世に広まったキリスト教に弾圧を受けて、遺跡も破壊されつくし、今ではエレウシスの秘儀の内容はおろか、遺跡にはただ無数の瓦礫の山があるのみだ。 博物館には、やはりデメテルとペルセポネー(コレー)にまつわる彫刻が沢山あった。有名なエレウシスの浮き彫りは、ここの博物館と国立考古学博物館の両方で見たけど、どうやら国立考古学博物館のものが本物で、本家発掘元のエレウシス博物館のはコピーみたいだ。観光客、少ないしね。仕方ないのかも。 博物館の庭からは、サラミス島とエレフシナ湾が良く見渡せる。サラミス島といえば、サラミス沖の海戦があった場所。ここは湾の内側なので、実際の海戦は島の向こう側で行われたと思われるが、現在巨大タンカーが行き交う海を、映画「トロイ」みたく帆船がびっしり浮かんでいたのだろうか。 <2004.10.18追記> サラミスの海戦でギリシャ軍は、ペルシャ軍を狭い水道に追い込んで、身動き出来ないようにして勝利したとか。目の前の湾内に帆船みっしりって本当だったらしい。 後ろ髪を引かれつつ遺跡を後にして、再びバス停へ。 道の両側にはびっしりとタベルナやカフェが並んでいる。実はいいかげんトイレに行きたいのだが遺跡内にトイレはなく、この辺りで借りるようにと言われていたのだが、まだあまりお腹が空いていない。どうしようかなぁ、と思いつつ歩いて行くと、アイスクリーム屋さん発見。中に入って、マンゴーパフェを注文して、トレイも借りる。 日曜日という事もあって、この辺りのお店はどこも地元の人でいっぱいのようだ。アイスクリーム屋のお姉さんも手が空いている時には、店に遊びに来ていた何人かの友達とおしゃべりで盛り上がっていた。 バス停に戻ると、A16番バスはなく、代わりにB16番バスが留まっている。ルート違いで同じエレフテリアス広場に戻る筈だが、念の為アテネ行きかを確認してからバスに乗る。 バスの運転手はロン毛のおばさん。このおばさん、バスをすごい勢いで飛ばしまくる。バス停で客が手を上げると急ブレーキを踏むのだが、停まった時には思い切りバス停を通り過ぎちゃっている(笑)。おかげで帰りは30分でアテネ市内に到着。(行きは45分ぐらい?かかった) |
![]() デメテルとコレー(多分)。中央はハーデス? |
![]() エレウシス湾。左奥がサラミス島 |
この後はスニオン岬に行く予定なのだが、2時半のバスまであと1時間ぐらい。お昼どうしようかな〜と、エレフテリアス広場からテッシオ駅、更にモナスティラキ広場まで歩いて、昨日のギロ屋さんの向かいにあるスブラキ屋へ。 |
ここの日没は有名だけど、今は7時半頃にならないと日が沈まないので、18時のバスで帰る事にする。10分ぐらい前に来た時と同じ駐車場に行くが、バスの姿は影も形もない。やがて18時もとうに過ぎてしまった。帰りのバスはどこへ?と不安に駆られつつ、レストランの方へ坂道を上ってバスを捜すが、やっぱりバスはいない。バスどころか、バス停の看板すら見当たらない。 携帯していたミネラルウォーターも尽きていたので、レストランの裏手の売店でグレープフルーツジュースの大瓶を買い、バス停の場所を訊ねると、やっぱりレストラン前との事。 多分レストラン側でじっと待っていれば、下の駐車場も良く見えるし、もしバスが来ればすぐに判るだろうと思いつつも、本当にバスは来るのだろうかと心の中は不安と困惑でいっぱい。 ふと道ばたを見ると、大きな看板が立っていて、バスの時刻が書いてある。お兄さんが言っていたのはこれか。て言うか、こんなおっきな看板を何故見落とすのだ、自分。(見覚えのある看板なので、昔来た時にも見ていた筈なんだけど)。 実は、日本では車の進行方向左側に各種の標識があるので、無意識のうちに道の左側ばかり捜していたのが敗因。ギリシャは車は右側通行なので、当然道の右側に表示があるのでした(爆)。 バスの時刻を確認するとアテネ行きのバスは、(省略)…17:30、18:30、20:30とある。全然エブリアワー、ナットハーフじゃないじゃないか!! 好みのハンサムだったお兄さんの言葉を信じるんじゃなかった(笑)、時間があるんだったら売店じゃなくて、ゆっくりレストランでお茶したかったのに〜と心の中で叫ぶが、とりあえず無事アテネに帰れる事が判って、ひと安心。程なくしてアテネ行きのバスがレストラン前にやって来た。 この時うっかり、行きと同じ右側の座席に座ってしまったのだが、車内はそれなりに混んでいるのと、帰りはどうせ途中で爆睡しちゃうし、西日がずっと当たり続けるのも辛いからいいや、とそのまま座り続ける。 バスが出発し、スニオン岬を振り返ると、岬のずっと後方の波打ち際(神殿からかなり離れた位置)に、洞穴みたいなのが見える。岬の上は観光客びっしりで、とてもそこで黄金聖衣着たサガとカノンが兄弟喧嘩したとも思えないし、あれが本物のカノンの洞窟かも?!と思うが、反対側の窓なので残念ながら写真は撮れなかった。 (後に発覚するが、デジカメの不調で、動いているバスの車内から景色を撮ろうとするとシャッターが切れず、左側に座っていても写真撮れなかったかも。行きにバスの車窓から撮ったスニオン岬の遠景も、全て撮影出来ていなかった。しょぼーん)。 バスの中で案の定爆睡、気が付いたらアテネ大学前、パネピスティミウ駅だった。このまま乗ってシンタグマ広場で降りればいいか、と寝ぼけた頭で考えるが、それは行きの話。バスはオモニア広場の方に向かっている事に、バスが動き出した瞬間気が付く。 夜のオモニア広場周辺は治安が悪いと聞いているので、結局終点まで乗って、ヴィクトリア駅からライン1でモナスティラキ広場へ。(後から思えば、オモニアで乗り換えて、アクロポリ駅からプラカに向かった方が良かったかも)。 お店を探す気力もなく疲れていたので、広場前のギロ屋かスブラキ屋かちょっと迷って、空席がありそうな昨日のギロ屋の中へ。グリークサラダとスブラキのプレート、昨日で気に入ったレモンジュースがなかったので、オレンジジュースを注文。 グリークサラダに乗っているフェタチーズはしょっぱい、とあちこちのページに書かれていたが、思っていたより全然塩辛くなくて、自分には丁度いい感じ(でもオリーブの実は流石にしょっぱい)。野菜にハーブとオリーブオイルをかけただけのシンプルなサラダだけど、大量の野菜が嬉しくてガンガン食べる。て言うか、メインのスブラキがなかなか来ない(^^; ようやく出て来たプレートは、4本のスブラキと焼きトマト等の野菜、ちょっと薄目のホットケーキのようなピタも2枚重ね。思い切り2人前はあるのですが。…どうしよう(困) 大量にある上に、オリーブオイルを塗って焼いているピタがかなり油こく、オープンサンド形式なので余計に食べ辛い。みんな、これどうやって喰ってるんだろ。 大きな深皿いっぱいのグリークサラダを既に完食していたのも手伝って、半分以上残してしまった。体調が悪くなければ、もう少しいけたんだけど。 シンタグマ経由で地下鉄を乗り継いで、今日もへろへろでホテルに帰還。 |