風の王子の冒険譚5 〜 陰謀 〜





「パック王子、風の大巫女様がお呼びでございます。それからアレクサンドリアの王宮から、お手紙が届いております」
城の図書館にこもって、外の大陸についてあれこれ調べ物をしていたパックの元へ、女官長がやって来て、アレクサンドリア王家の紋章入りの封書を手渡す。
「何だろ? …ガーネット王女の16歳の誕生日?
これ、リンドブルム劇場艇の芝居のチケットじゃないか!」
毎年城を抜け出しては、お忍びで見に行く程、パックも劇場艇の芝居が大のお気に入りだった。
リンドブルムの劇場街でもタンタラス団の芝居は見れるのだが、花火なども加わった特別に派手な演出と、何よりあのわくわくするお祭り気分は、他では決して味わう事が出来ないからだ。
「サンキュー女官長。婆様の所へ行って来る!」
相変わらず城内をダーッと走り抜けて、風の大巫女の住まう宮中の大神殿へと向かう。
「ようこそ殿下。お呼び立てして申し訳ありませぬ」
清めの香が焚きしめられた神殿の奥室で、風の大巫女はパックを笑顔で出迎えた。
「かまわぬ。それよりあれ、出来たのであろう?」
「はい。殿下には、お待たせしてしまいましたな」
そう言って大巫女はパックが差し出したスターサファイアの指輪を受け取ると、新しい護符のペンダントを王子の首に手ずからかけてやる。
「――――? 風の…声が聞こえない? 婆様?!」
感覚の1つを突然、断ち切られたかのような違和感に、パックが困惑の表情で大巫女を見上げる。
「王宮内、ことに王の御座所のある奥宮と大神殿は魔法の結界が強うございますから、そのせいでございましょう。護符の封印の力を以前よりも大分強めましたゆえ。王宮の外で殿下が、旅に必要なちょっとした魔法を使うには、十分な筈でございます」
「…でも、これじゃいざという時に、何もできぬではないか」
不安げな表情のパックに向かって、大巫女が満面の笑みを作る。
「心配ご無用。万一の時の為の封印の解呪法も、再び封印を戻す方法も、この魔法書にございます。差し上げますから、ご自分でよく勉強なさいませ」
―――う〜〜。婆様といい、昔のフラットレイといい、どうして俺に物を教える奴らは、にっこり笑って人を斬るような連中ばかりなんだ!
高度な上級呪文ばかり集めた、貴重な魔法書を2冊手渡されて、パックが心の中でうめく。
「本当ならわらわが直接お教えしたいのですが、殿下は城におられるよりも、広い世界を見て歩く事の方が、お好きなようですからのう」
苦笑する大巫女の、笑顔の下の寂しそうな表情に、流石のパックもしゅんとなる。
「うん。すまぬ」
「また旅に出られるのでしょう? 殿下が旅から戻って来られる毎に、逞しゅう成長されておるのを見るのが、この年老いた婆の何よりの楽しみじゃての。
全ての良き風が、我がペンドラゴン殿と常に共にありますように」
そう言って風の大巫女は、実の孫のように可愛がっている小さな王子の頬に、祝福のキスを贈った。


まだ朝日が昇る前の早朝。
降り続けていた雨がようやく止み、明け方の空を駆ける風が、足早に雨雲を運び去って行く。
旅支度を調えたパックが、夜警の兵の目をかすめるように、城の中を行く。王宮内に隠された、王家の者しか知らぬ秘密の抜け道を使い、城壁の外には既にテミスを連れたモーグリのアトラが待機している。
「もう行くのか?」
地下の、とある一室の壁飾りを操作していたパックは、突然背後からかけられた声に、飛び上がるように振り向いた。
「…父上!」
気まずそうな顔をするパックに、ブルメシア王が近づく。
「帰ってきたばかりだというに、たく、この腕白者めが。あんな宝の地図など、そなたに見せるのではなかったのう」
王は飄々と言ってのけると、ニヤリとパックに笑いかける。
「外の大陸まで足を伸ばすとなると、何かと物入りであろう? そなたに路銀を渡そうと思うてな。これも持ってゆくがいい」
王が差し出したのは、高価な貴石を繊細な黄金細工で数珠繋ぎにした、まばゆいばかりの5連の首飾り。その鎖のうち2、3本もあれば、性能の良い最新の飛空艇も乗組員付で楽に手に入れられる程の、豪奢な品だった。
「でも…」
「王家というても、予とそなたの男2人きりなれば、こういった品も全て宝物庫に眠らせておく以外ないからのう。1度はそなたの母上に贈ったものの、あまりに綺羅綺羅しくて嫌じゃと言うて、ほとんど身にも付けてくれなんだ。そなたの役に立つなら、その方が母上も喜んで下さるじゃろ」
ブルメシア王がにこりと笑うと、パックは思わず王に抱きついていた。
「パック。次代の王たるペンドラゴンの称号は、時として幼いそなたが背負い切れぬ程の重荷となろう。
じゃが、そなたはその勤めを立派に果たそうと、懸命に努力しておる。
そなたの城出を古老どもが何と言おうが、いや例えペンドラゴンの称号があろうがなかろうが、そなたは予の大切な自慢の息子じゃ。
その誇りさえ忘れずにいてくれるなら、予は充分じゃ」
「…うん」
別れが辛くて、わざと顔を見ないでおこうと思ったのに、こんな事を父王に言われたら、別れの言葉がうまく出て来ない。
「達者でな」
「父上も、良き風がいつもお側にありますように」
互いの頬に接吻の贈り物をした後、手を振って壁の抜け道に消えたパックを見送る王の背後で、人の気配がした。
「…行ってしまわれましたかの」
「大巫女殿か。おどかすでない」
肩を落としていた王が、小さく苦笑する。
「今更ではありますが、本当に王子を行かせてしまって宜しかったのですか?」
ブルメシア王が重々しい顔でうなずいた。
「大巫女殿も判っていよう。ブルメシアを取り巻く風が、ざわめいておる。風はやがて東の方より嵐を運んで来よう。
今は予と大巫女殿にしか判らぬが、いずれブルメシアの民にもそれと知れようぞ」
「その前に、王子を遠くへ? こんな時なればこそ、王子をお手元に置きたかったでありましょうに」
「パック1人の為に割く兵で、どれ程の民が守れる事か。それでなくても、あの腕白者が無茶をせぬとは決して思えぬ。あれがいてくれぬ方が、遙かに予は安心出来るからの」
強がる王に、年長の大巫女が苦笑混じりの溜息を漏らす。
「ご心配召されぬな、陛下。竜の傍らに寄り添う風が、わらわには見えまする。風を大きな翼いっぱいに受け、我らが竜は天高く飛翔する事でしょう」
そう言って風の大巫女は、謎めいた微笑を王に向けた。




「着いたぞ、フラットレイ。アレクサンドリアの都だ!」
都に入る前に、湖畔に美しく煌めく大剣の城を眺めながら、パックとフラットレイは弁当を広げた。
「パック殿の楽しみにしている劇場艇の演目は、確か『君の小鳥になりたい』でしたよね?
個人的には同じエイヴォン卿の作ならば『ヴェロナの恋人達』の方が、私は好きですね」
「俺はどっちも好かんな。悲劇より、ハッピーエンドの方が良いじゃないか。まあ誕生日の主役であるガーネット王女のリクエストと聞くから、いた仕方ないだろ」
もこもごと口を動かしながら、ひとしきり演劇談義に花を咲かせる。
「劇を見た後は、リンドブルムの狩猟祭もあるしな。フラットレイ、おまえも参加してみたらどうだ? おまえなら絶対、優勝間違いなしだ!
優勝者には望みの品が与えられる事になっているから、いまのうちに何か考えておくといいぞ」
「では飛空艇を手に入れて、そのままお宝探しに赴くのも良いですね。陛下からいただいたという首飾りも、手放さなくて済みますし。天地を切り裂くという竜王の槍、私もこの目で見てみたいですから」
フラットレイの声も、どこか少年のように楽しげに弾んでいる。
「槍は見つけたらおまえにやるよ。どうせ今の俺には扱えないし、ブルメシア最強の竜騎士にこそ相応しい代物だ」
伝説の槍に相応しい最強の竜騎士は、実はブルメシアにもう1人いる。
突然、彼女の事が思い起こされて、チクリとパックの胸が痛んだ。
―――フライヤは今、どこでどうしているんだろう?
まさかフラットレイが、こんな風になってるなんて、彼女は想像だにしないだろう。
何十編、何百編目の重い溜息が、パックの口から漏れた。


そして食事の後、2人はいよいよアレクサンドリアの城下町へと入った。
予約していたホテルに一旦荷物を置いて、パックとフラットレイは開場まで、城下町の散策に出かけた。城へと続く大通りを沢山の人が行き交う中、一際目を引く煌びやかな貴族の集団が通り過ぎて行く。
「…ヤバイ。ポーン家の婆さんも、アレクサンドリアに来てる。俺、あの婆さんニガテなんだよ〜」
急にそわそわし始めたパックを、フラットレイが不審の目で見る。
「何が苦手なんです?」
「あの婆さん、超がつく程の王族マニアなんだ。王族フィギュアとか、霧の三大国のミニ国主像とかあるだろ? あれは元々あの婆さんがオリジナルを発注して、その後コピーが市場に出回っているんだ。
ほんっとにそのマニアぶりときたら、ステラツィオにしか興味のないクイーン家の女当主といい勝負だぞ!
俺なぞこの肌の色は誤魔化しようがないからな、一目であの婆さんにブルメシアの王子と見破られた。そして1度見つかったら最後、何時間でもおしゃべりにつき合わされるんだ」
件の彼女の話をするだけで、はぁ〜と力無く耳を伏せるパックの、いつにない嫌がりようにフラットレイが眉を寄せる。
「旅を始めたばかりの頃だったかな、ポーン家に伝わる古い魔法書を見せてくれると言われて、屋敷に招かれたはいいけど、以後ちょっとした幽閉状態で、えんえんとあの婆さんのお茶に付き合わされ、逃げるのにえらく苦労したぞ」
隣国の有力貴族が相手ともなれば、いくらパックが子供でもそれなりの配慮と対応が必要だ。
極上の菓子と食事のもてなし、そして各国宮中の噂話の洪水に、パックは王太子らしい礼儀正しさで応じていたが、流石に限度はある。
心の中で恨みつらみ・泣き言を百万遍唱えつつ、笑顔でお茶に付き合うパックを、ポーン家の女主人はいたくお気に召したらしく、貴重な魔法書を王子にくれると言い出し、パックはそれを受け取ると、さっさと“とんずら”を決め込んだのだった。
「それは…また何とも。…お気の毒に」
謹厳実直、パック同様女性の、特に年季の入った淑女方の長い長い世間話が苦手なフラットレイが、同情の溜息を落とす。
観劇の後には、招待客を一同に集めたパーティーも予定されている。その会場でポーン家の女主人に出会ったら…いや万一劇場でばったり顔を合わせでもしたら、ボックス席に強引に同席させられて、劇を楽しむどころではなくなってしまうのは目に見えていた。
「フラットレイ、王子の命令だ。この招待状はおまえにやるから、ブルメシア王子の名代として、おまえ1人で劇を見に行け。俺は人目に付かぬよう、何とか城の中に潜り込むから」
「潜り込むって…パック殿」
「うるさい、命令と言ったのが聞こえなんだか! アレクサンドリアの王城など、何度も忍び込んでいるから、中の勝手など良く知っている!」
パックは思い切り呆れ顔のフラットレイの手に、強引に招待状を押しつける。
この腕白な王子が、アレクサンドリア城に忍び込んで、何事もしでかさない確率は極めて低い。
―――ブルメシアの王子とその名代が、何かアレクサンドリア城内で事件を起こしたとなると、非常に面倒な事になりそうだしな。不本意だが、黒の修道騎士の衣装を持参した方が良さそうだ。
フラットレイは嫌な予感に軽い頭痛をこらえつつ、パックから押しつけられた招待状を、渋々と受け取った。




フラットレイの予想に反して、案内の女兵士に通されたのは、王城内の貴賓席でも最も隅にある席だった。
左右の壁に施された彫刻の影に隠れて、周囲からは全く見えないロイヤルボックスは、やんごとなき人々がお忍びで舞台を見る為に作られた物らしい。舞台を眺める角度はいまひとつではあるものの、劇場全体が非常に良く見渡せる。
「これなら、パック殿が一緒に来られても問題なかったな」
着席して幕が上がるのを待つフラットレイがつぶやく。
1人で見る舞台は、どうにも味気ないものだ。
フラットレイが溜息をついた時、ふと、人の話し声がいずこから漏れ聞こえて来た。
「―――パック王子を秘かに捕らえろとの………様のご命令なのに、なーんで肝心の王子がいないでおじゃるか!」
「しいっ! 聞こえるでごじゃる。案内の者の話では、王子の名代と名乗る竜騎士1人だけが参ったそうでごじゃる。ブルメシアに潜入させた者の情報では、確かにパック王子は劇を見る為に、アレクサンドリアにいるとの事」
「城内を徹底的に探すでおじゃる!」
「城内を徹底的に探すでごじゃる!」
不穏な話し声は、壁の向こう側から聞こえて来るようだ。風がブルメシア王子に対する陰謀を、そっとフラットレイの耳に届けてくれる。
開演のファンファーレが華やかに鳴り響き、気配が去った後でフラットレイは立ち上がると、ロイヤルボックスの壁を手で叩いて回った。
「…ここだけ音が違う。どうやら奥は通路になっているみたいだな。パック殿をここからいずこへと、連れ去るつもりだったのか?」
パックに届いたのは、アレクサンドリア王家の正式な招待状。
とすれば、アレクサンドリアがブルメシアに対し、悪しき事を企てている事になる。
加えてブラネ女王に関しての、不穏な噂も彼の耳は聞き逃していなかった。
『風よ――パック殿は今、いずこに?』
フラットレイは身につけた竜珠を手の平に乗せると、内なる力をそれに集中させる。
一点に収束された竜の力が竜珠と共鳴し、互いに増幅し合いながら大きくなって行く竜の力と魔法の力とが、風の精霊の大いなる加護と奇跡の力を呼び起こす。
選ばれし竜騎士の中でも、風の精霊と心を通わせ、その力を完全に使いこなせる者はごくわずかであるが、パックのように竜珠の介在なしに精霊と通じる者は、力のある巫女か“偉大なる精霊の友”ブルメシア王家始祖の黄金の血を濃く引く者だけである。
一陣の風が、目を閉じたフラットレイの周囲を吹き抜け、去っていく。
「いた! あそこか!」
劇場の最後方、立ち見席の中にパックが、黒魔道士とおぼしき小さな少年と一緒にいるのが見えた。
本当なら今すぐにでも王子を連れて、アレクサンドリア城内から脱出したい所だが、目を輝かせて楽しそうに黒魔道士の少年と劇を見ているパックの邪魔をする事は、守護を自負する者が取るべき行動ではない。
フラットレイが今、なすべき事。それは…。
「先に武器を調達せねば!」
王城内は武器の持ち込みが厳禁であった為、槍はホテルに置いて来た。
厳重な警備をかいくぐって、秘かにダガーを持ち込んでいたのは流石であるが、王宮の兵士との戦闘にでもなれば、彼の役には立つまい。
『風よ、どうかパック殿を守ってくれ! 頼む!!』
フラットレイの全身全霊の祈りが竜珠に集中し、チリチリと手を熱く焦がす。
彼の祈りを聞き届け、その意を汲んだ風の精霊達が、パックに気付かれぬよう活動を停止して、パックの周囲を守るように取り巻く。
それを見届けたフラットレイは黒の騎士姿になると、通路へと飛び出した。


劇が始まった為、通路には全く人影がなかった。
意を得たとばかりに、フラットレイは足音1つ立てず、ひそやかに物置らしき部屋へと忍び込んだ。
「―――モップに釘バット、アンブレラ、銀玉鉄砲、それに軍手…? ふむ、使えそうだ!」
ガラクタとおぼしきの山の中から、モップを取り出すとマントの下に隠し、何喰わぬ顔で貴賓席に戻る。
パックはまだ、劇に夢中になっているようだ。
王子の無事に心から安堵の溜息をつく。
竜騎士なれば、この高い位置のボックスにいれば、パックの身に何かあったら即座に駆けつけられる。
フラットレイはパックから片時も目を離さず、劇が何事もなく終わるのを祈るような気持ちで待っていた。


そしてフラットレイの予期していた通り、事は起こった。
宮廷道化師ゾーンとソーンの言いつけで、劇場にチケットなしで潜り込んだとおぼしき、唯一無二の茶色い肌のブルメシア人の子供を、何も知らないプルート隊が発見して追いかける。
「ごめんなさいッ!」
追われて舞台の上まで逃げて来たパックと黒魔道士ビビだったが、ビビは舞台の上で思い切りコケてしまった。
「バカッ! 何やってんだよ!! 置いてくぞ!!」
パックが小さな黒魔道士をせかすが、素早いパックの足にビビはついて来れないようだった。
パックは追いかけて来るプルート隊に向かい、思い切り憎々しくベェ〜と舌を突き出して挑発すると、プルート隊を自分に引き付けるように城の通路へと飛び込んで行った。
「…しまった! はさみうちか!」
前方からプルート隊の残りのメンバーが、そして後ろからも追っ手が迫って来る。
―――どうする?!
狭い通路のどこにも、逃げ場はない。
その時、黒い疾風がパックの脇を駆け抜けると同時に、彼の背後で鎧を着た重い物が続けざまに倒れる金属音がした。
「フラットレイ!」
パックの声が弾む。
その間にもフラットレイは竜剣で、プルート隊の1人の喉笛に電光石火の鋭い突きをくれて、相手を仕留めていた。
モップで、剣を持った鎧姿の兵士を相手にするには、急所を一撃必殺で突く以外に方法はない。
敵が倒れるのを確かめる事もせずに、フラットレイの視線は次なる獲物を捕捉していた。
―――ひいッッ!!
竜騎士と目があったプルート隊が、恐怖に魂までも凍り付く。
“その者の槍術、氷よりも冷酷に、空を駆ける風よりも速く、抜き身の刃よりなお危険”――氷竜の刃が、一瞬の銀光を閃いた。
フラットレイは哀れなプルート隊を、あっという間に容赦なく屠ると、有無を言わさずパックを腕に抱え上げる。
「話は後です。城をすぐに脱出します!」
事前に仕入れた情報で、パック同様、アレクサンドリア城の構造は全て頭の中に叩き込んである。
劇場艇での大騒ぎに警備兵が気を取られていたのも幸いした。
フラットレイはパックを抱えたまま、城の複雑な通路を無事に走り抜けると、城の窓から高々と外に向かって飛翔した。




後日談。
「あの時の黒騎士、格好良かったなぁ」
プルート隊の間ですっかり伝説?となってしまった黒騎士を真似て、休憩時間にモップでチャンバラをするのが、彼らの間でお決まりの日課となっていた。
後にアレクサンドリアに戻って来たスタイナー隊長が、それを目撃して激怒するまで、モップのチャンバラごっこは続いたという。
そして城の備品であるモップを何本も無駄に折ったという事で、スタイナーが監督不行届でベアトリクスに散々叱られたのは、いうまでもない。